風様は戸惑っているのか、不自然にきょろきょろしながらベッドに近づいてきた。



部屋はそこまで暗くないけど、どうせなら、扉のそばにある電気のスイッチを点けてくれたらよかったのに。




「熱は?だいぶ下がった?」




ぎこちない動きのまま、風様は床に腰を下ろし、ベッドの上で頬杖をつく。




「お昼から測っていないけど、多分良くなっていると思いますよ」




私の顔のすぐ近くに、風様の横顔。彼の目線は私の足元を向いていて、頬杖をついた手のひらはそのまま彼の口元を隠している。



……まつ毛が長いな。女の子みたい。

きっと、こっちを向くのは恥ずかしいのかな。なんだかかわいい。