「好きな人ができると、余計に自分と美月を比べてしまうんだ。


だって、あたしたち見た目がおんなじだもん。中身で勝負ってなったらさ、やっぱり美月には負けちゃうよ。


あたしが男子だったら絶対に美月を好きになるし」




「そんなことないですよ。陽菜様の活発で明るいところが好きって男の子だっているはずですから。


私から見たら、陽菜様も十分に可愛らしいお嬢様です。きっとその恋もうまくいきますよ」




「うーん、そうかなぁ。でも結衣に励まされても、自信はあんまりわかないね」





……全く。このガキはどうして一言多いんだよ。前言撤回だわ。ちっとも可愛くなんかない。




「……ほらほら、四時になりますよ。ピアノの先生来ちゃいますから」



「はいはい。めんどくさいけど行ってくるよ。あ、結衣もこれ読む?今回、芸能人ネタすごいよ」



「いや、読まないです」



「あっそ」