「あら、結衣さん。熱があったのですか?」


……なんやねん。気を遣って黙っていたのに、結局バレてしまうんかい。


それならさっさとお礼言っときゃよかったよ。かえって気の利かない娘になったじゃん。


まあね、別に隠してるつもりもないんだけど。



「ええ。でももう大丈夫です。熱は下がりましたし、学校にも行きます」



病は気からっていうじゃん。ほんとは少しぼーっとするけど、やる気があれば熱なんて気にならない。



さあ、頑張って弁当の支度だ。戸棚の高い位置にある弁当箱を取るため、踏み台に登る。



「ゆ、結衣さん!!」


「危ない!」