……右手が熱い。


夢の割にははっきりと覚えている。私の手よりもひとまわり大きくて、ごつごつと骨ばっている祐基の手。


ぎゅっと強く握ってくれたその手があったから、不安は和らいだ。



だけど、夢のはずなのに手の感触がリアルに残っているのはなんでだろう。



祐基がここに来ているわけないのに。



……いつの間にかおでこには冷えピタが貼られていた。


暗くて気づかなかったけど、携帯の側にはスポーツドリンクも置いてある。



手を握ってくれたのは……



「海様……?」



そんなことがあるわけない。



それなのに今、顔が熱くてどうしようもないのはやっぱり風邪のせいなのかな……