リビングを出てホールに戻り、先程信子さんに案内された通りに、階段そばの通路を奥に進む。



部屋の扉を開けてから、キャリーバッグを壁際に寄せると、大きなため息をついてベッドにどさっと腰を下ろす。



使用人の部屋とは言っても、私の実家の部屋よりもずいぶん広い。


ベッドやクローゼットどころか、テレビやドレッサーまで備え付けてある。



なんだかホテルの部屋みたい。中学生の頃、修学旅行で泊まった札幌のホテルを思い出した。



窓際に近寄って、レースカーテンを開ける。ここからも庭がよく見えた。




この数分で目にした景色が思った以上に現実離れしていて、頭の整理が追いついていないんですけど。