奥様の柔らかい笑顔にほっとして、肩の力が抜けていくのを感じた。



……とりあえず、奥様がザマス系じゃなくてよかった、かな。


いや、油断はできない。こういうところの奥様って裏の顔がありそうだから。




「先程、小学校までお迎えの者が向かいましたので、もうそろそろ娘たちが帰ってくる頃だと思います。


結衣さんは一度、荷物をお部屋に置いてきたらどうですか?」




ここは私の実家からもそこまで遠くはないので、必要最低限の荷物だけ持ってきていた。



それでも、少ない荷物とはいえ、家の中でキャリーバッグをガラガラと引きずったままでいるのもみっともない。


奥様に言われた通りに、私は部屋に荷物を置きに行くことにした。




それにしても、小学校までお迎えに行ってるんだ……私の頭の中で、花輪くんとヒデじいの姿が浮かんだ。