世界できっと、キミだけが




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『ケ・セラ・セラって知ってる?なんとかなるって意味なんだって!』





『あのね!笑ってたら楽しいも幸せもやってくるってお父さん言ってた!』




遠い記憶。
荒んだ心を救ってくれた小さな子どもの言葉を今でも忘れられずにいる。





「自分のしたことがわかってるのか?」



病院の待合室。
社長の久住さんが俺を厳しく見てそう言った。



「…はい」



俺は拳を握り、答える。



大学を出た俺たちに向かってきたオートバイ。
俺は真っ先に幸子お嬢様の元に駆け寄った。


しかし、そのオートバイの人物は俺の隣、最後尾を歩いていた小野田紗千を突き飛ばして逃走した。
突き飛ばされた小野田紗千はオートバイの勢いもあり強く身体を地面に打ち付けて倒れた。



今は病院で処置を受けている。