「じゃあ、どうするんですか?」

「その日だけは幸子に行かせる」

「え…?でも、危ないんですよね」



だから、休学って処置を取っていて、身代わりなんて立てているわけだし。



「だから、もしもの時を考えて、キミにも同行してほしい」

「私が…?」

「危険だと判断したらキミに代わってもらう」



私じゃ無理だから幸子お嬢様がいくんだよね。
それなのに、危険だと判断したら結局私がやらなくちゃいけないなんて。



「宇都木の人間が大学の場でなにかを起こすことはあまり考えられない」

「でも、狙っているのって宇都木の人間だけじゃないですよね?」



私を誘拐したのだって、無関係の人たちだった。




「とにかく、ボディガードも同行させ、万全の体制で挑む」

「は、はい…」




結局私に拒否権はないのよね。