どんな人なんだろう。
写真とはまた違うのかな。
ドキドキしながは待っていると、扉からゆっくりと入ってくる人物。
髪は長くウェーブがかっていて、白いふわっとしたワンピースを着ている。
「初めまして、紗千さん。宇都木幸子と申します」
「は、初めまして。小野田紗千です」
穏やかに微笑みながら優雅にそういった。
「この度は、私のせいで怖い思いをさせてしまって、ごめんなさいね」
「え…、あ、いえ……」
どこが。
どこが似ていると言うのだろう。
言葉遣いも、立ち居振る舞いも、纏うオーラも。
何もかも違うじゃない。
確かに顔つきは似ているかもしれない。
でも、その顔つきからも私とは違うものを感じる。
似ている。
本当にただ顔だけだ。
惨めだ。
なんか、物凄くみじめ。
私なんか、格好から滲み出ている貧乏で。
気だって強いし、頭だってよくはない。
こんな風に根っからのお嬢様気質の人となんて月とスッポン。


