世界できっと、キミだけが



「ゆっくり休め。しばらく学校も休んでもらう」

「えっ!なんで‼︎」

「お前の学校の制服を着ていたのに関わらず誘拐されたんだ。幸子お嬢様として。これからもないとは限らない」




それは、そうだけど。
でも、唯一私が自由でいられる、私でいられる場所だったのに。



「少しして今回の件の取り逃がしがいないか確認が取れればまた通えるようになる」

「それってどれくらい…?」

「わからない。なるべく急いではもらうが」

「…そう」



私は短くそう答えると横になって布団を被った。



「…すまなかった」

「え…?」

「お前を危険な目にあわせたのは俺の落ち度だ」




被った布団から顔を出し、鹿島さんを見る。
鹿島さんは眉を寄せ、少しだけ思いつめた顔をしている。
気にしてた…?

予想外の反応に驚く。



「で、でも。私が黙って出ていったからで…」



思わぬ反応に慌ててそう言う。