「きゃっ!」



蹴りをいれられ、縛られている私は受け身もとれず地面に叩きつけられた。
顔を地面に叩きつけられ、痛みが走る。
その瞬間、ピロン、とカメラの音が聞こえた。


ズキズキとする痛みに、涙が滲む。
男たちの余裕のある雰囲気さえも、私には恐怖でしかなくて。


“死”という文字が頭をよぎる。


死にたくなんてない。
こんなはずじゃなかった。


こんなにも、怖くて危ないものだなんて思ってもなかった。
どこか楽観的で、何とかなるって思ってて。

助けて。
心の中で叫ぶ。


でも―――。



私、鹿島さんに嘘をついた。
黙って出てきてしまった。



きっと私がこんなことになっているなんて、想像もしていない。
それに…。


もし、身代金の要求があったとして、この事が明るみになったとして。
私は助けてもらえるのだろうか。


ふと過ぎった最悪の結末に、身体が震えた。