「細かいことはどうでもいい。こんなにうまくいくとはな」
「これで宇都木の財産は俺たちのものだ!」
この人たち、お金が目当て…。
身代金を要求するつもりなんだ。
「私を誘拐しても無駄よ!私は……」
正体を明かそうとしてハッとした。
ばれてしまってもいいの…?
似ている人がいるって知らない状態の今の方が、きっと身代わりはやりやすい。
もしこの人たちが、宇都木の関係者に話してしまったら…。
もしかしたら、身代わりを立てているかもしれないって思われるのは、まずいはず。
だから、絶対ばれないようにって言って……。
って、なにこんな自分がピンチの時にそんな事心配してるんだろう。
でも、もしここで私が偽物だってばれたとしたら…。
私は役に立たない、その上顔は隠しているけどこの人たちの姿を見てるし声も聞いてる。
その私を、生かしておくだろうか。


