2人にお礼を言って慌ただしく店を出た。
さっき鹿島さんから催促のメールが来ていた。
もうすぐ、と返信を返したし急がなきゃ。

中道を駆使して学校まで急ぐ。


なんでこんなに必死になっているんだろう。


必死になるギリなんてない。
いくら借金を肩代わりしてもらっていたとしても。
それ以上に不便を強いられている現状。



納得がいかないことも。
自分の意思を無視されていることも。


「……っぐ‼︎」



突然飛び出して来た腕が私の口を塞ぐ。
学校まであと少し、人通りのない裏道。

怖くなって抵抗を試みるけれど、腕がもう片方の手に掴まれて、別の人物が私を抱え上げた。


な、なに!?
助けて…!



誰かっ!!!



私の願いは虚しく、手際よく近くに停めてあった車に押し込まれた。