「竜が好き。大好き。竜じゃなきゃだめなの!」

「俺にも、お前だけだよ」



広げられた腕。
私はそこに飛び込んだ。
包まれた温もりが嬉しくてこみ上げてくる。



「こんな、幸せでいいのかな…」

「幸せになったっていい。あいつだってそれを望んでるんだろ」

「…知ってたの?」

「知ってる。悔しいけど、俺はあいつに頭が上がらないんだ」



浩一さんと竜、いつの間にかそんなに仲よくなっていたの?
心身ともに傷つけてしまった事、忘れられない。
それでも、浩一さんの優しさを無駄にしちゃいけないんだって前を向こうとしてきた。
でも、どこかで本当にいいのかって想いがあって。



「あいつに認められるくらい、お前の事幸せにするつもりだから」

「…うん。私も、竜を幸せにする」



ここから始まる二人の道。
繋がれた手に幸せを感じられる。


きっと私、世界一幸せ者だ。