「いろんなことがスッキリして、考えたんだ」

「え?」

「自分の気持ちがどこにあるのか」



竜の気持ち?
立ち止まって竜を見上げる。




「俺にとって、お前の存在の意味」

「私の存在…」

「お前が好きだ」




真っ直ぐと向けられた思いに息をのむ。
さっきまで聞こえていたはずの波の音が聞こえなくなって竜のその声だけがまっすぐと届いた。




「真っ直ぐで、誰かのために頑張ってて、いつだって笑ってるお前に俺は、救われてた。そんなお前が、好きになってた」

「竜…」

「もう…、遅いか?」

「…遅くなんてない!私だってずっと、好きだった。諦めようって思ったけど、諦められなくて…!」




どうしても忘れられなかった。
傷ついて傷つけてどうしようもなくなって。
幸せになる資格なんてないって思って。

それでも、どうしても好きでいることをやめられなかった。