「…あ!!!」
ポンッと手を叩いて声をあげるお父さん。
思い出したの?
「宇都木の奥さんの葬儀!君、いただろう?もう13年くらい前になるけど」
「え、あ…。はい」
奥さんの葬儀って、前竜が話してくれた話の中で聞いた。
竜はそこで幸子お嬢様と出会ったんだって。
なんでお父さんがそのこと知ってるんだろう。
あ、そう言えば。
お父さんと宇都木社長って同級生だったんだっけ?
「俺も、そこにいたんだ。卒業してから宇都木とは疎遠だったんだけど、風の噂で奥様を亡くされたと聞いて宇都木に連絡してみたら葬儀にいってもいいと許可もらって」
「そうだったんですか。もしかしたらそこで顔を合わせたのかもしれませんね。すみません、俺覚えていなくて」
「いや。俺が一方的に見ただけだから。俺も、何のかかわりもなかったらこんな風に覚えていないよ。あの場所にはかなりの参列者がいただろう」


