｢ならいいんだ。おそらくもう、紗千に危害を加えようとする奴はいないはずだから。でも、警戒心はちゃんと持っておけよ。一度関わったんだ、その事実は消えないんだから｣
｢うん。わかった｣
本当に私の事を心配してくれてるのがわかる。
竜は本当に仕事熱心だよね。
契約が終わった私の事なんて、もう放っておけばいいのに。
｢久住さんは元気？｣
｢ああ…｣
｢それから、幸子お嬢様は？元気…って、私が気にすることじゃないけど、一度は関わった人だし気になって｣
｢元気にされてるはずだ｣
｢はず…？｣
｢俺たちKBGは、宇都木との契約は解除された｣
｢え…｣
いつから…？
そんな事知らなかった。
今でもまだ、幸子お嬢様の側にいるものだと思っていた。
｢うちの社員が事件を起こしたんだ。それも、宇都木社長と敵対していた弟と通じていたこともわかった｣
｢責任をとってってこと…？｣
竜は頷く。
