玄関先で話していた私たち。
いい加減中に入ろうとしていた時、チャイムが鳴った。
「誰だ?」
「私でるね」
玄関に近かった私がそう言って玄関に向かう。
「はぁい」と声をかけながら玄関を開けた。
「あ…」
「…よぉ」
「竜…。久しぶり…」
思わぬ人の登場に、私は言葉を詰まらせる。
まさか、竜が訪ねてくるなんて思わなかった。
変わらない、ちょっと仏頂面の竜。
「どうしたの?うちに来るなんて…。なにかあった?」
「いや。その後の様子が知りたくて…。身体の調子は大丈夫か?」
「身体?もう全然いいよ。怪我の痕も残っていないし」
「そうか」
心配してきてくれたの?
退院してから、ずっと会っていなかった。
私も竜に会いに行くことはなかったし、竜だって同じだ。
そうこうしているうちに、2か月以上経ってしまった。


