「もう何もかも終わり。大丈夫、殺しはしないわ。ただ、ギリギリまで痛めつけてあげるだけ」
「やめ…やめて…!」
「こんな事、やってなんになるんだ!これ以上罪を重ねる前に自首するんだ!」
「どうせ、鹿島に嫌われるの。蔑まれるの。もう終わりなの」
浩一さんの声も届かない。
どうしたらいいの。
浩一さん…、浩一さんだけでも…。
「浩一さんは関係ないでしょ!帰してあげて!」
「なにを言って!犠牲にでもなるつもりか!?」
「だって、浩一さんは関係ない!私のせいでこんな…!」
「うるさい、うるさい!そういういい人ぶってるところが、虫唾が走るのよ!」
吉沢さんがもっている鉄パイプを振り上げた。
浩一さんがとっさに私の上にのしかかる。
振り下ろされたそれが浩一さんの背中を叩きつけた。
「ぐっ…」
「きゃあ!浩一さん!!」
やだ、やだやだやだ!
こんなの…!
助けて、誰か。
竜…!!


