「お金持ちのお嬢様に似ているってだけで運がいいわよね。私だって、そうだったらこっち側にならなくてすんだのよ!」

「…え」

「お金が必要なの。ちょっとやばいところから借りててね。返さないとまずいの」

「だから…、だから、宇都木社長の弟側についたんですか?それも、犯罪に手を染めて…!」




あのパーティ会場の男の言った言葉は、吉沢さん自身の言葉でもあったんだ。
私に対しての敵意は、竜の事だけじゃなかった…。



「利用されるだけなのは許せない。だから、それを利用して駒を動かしてやったのよ」

「どういう、意味…」

「あんたよ、あんた。身代わりが立てられるなんて思わなかった。それも、こんなちんちくりんな女。その上鹿島に気に入られて…!」

「気にいられてなんて…」

「宇都木幸子ならまだよかった。金持ちのお嬢様となんていくら鹿島がどう思っていたって釣り合うことはないんだから。他の金持ちは知らないけど、宇都木に関してはありえないから」

「え…?」