「それなのにあんたは、馬鹿みたいに鹿島を信じるって言い出すなんて。まぁでも、多少揺らいだみたいだし、あんたを動揺させることには成功したからいいんだけどね」

「ひどい…。ひどい!竜の事、好きだったんじゃなかったんですか!?それなのに、そんな事のために、竜に罪をかぶせようとするなんて!」




好きな人にそんな事、普通できないよ。




「それに…、どうしてこんなこと…!吉沢さんは竜の仲間だったんじゃないんですか!?ボディーガードとして誇りを持って働いてたんじゃ!!」

「誇りなんて持っていたって食べてはいけないのよ」

「え…」




冷たい言葉。
本当に吉沢さんなの?
確かに私に対しては冷たくて、酷いことも言われたりもしたけど。

仕事には熱心で一生懸命だったって思ってた。
でも、違った?



「あんただって金欲しさに身代わりなんてやってたでしょ」

「私は…」

「違うとは言わせない。大金もらってやったことに違いないでしょ」