キィィィと扉の開く音が聞こえる。
ビクッと身を固まらせその音の方を向いた。
「あら、目を覚ましたの?思ったよりも早かったのね」
薄暗い中に入ってくる人物。
あけた扉が逆光になってよく見えない。
でも、その声には聴き覚えがあった。
トクン、トクン、と胸が騒ぐ。
だって、あってほしくない。
そんな事。
ゆっくりと近づくその人。
パタンと扉が後ろでしまって、辺りが再び暗くなる。
その人の姿がはっきりとこの目に映し出された。
「吉沢…さん…?」
そこにいたのは、紛れもなく吉沢さんその人で。
手には長い鉄パイプのようなものを持っている。
「ごめんなさいね。生きたまま捕えなさいとは言っていたんだけど。血の気の多い男たちで」
「どうして、どうして!?吉沢さん!」
信じられなくて叫ぶ。
どうしてこんな事。
こんなことする理由がわからない。


