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「う……」
ズキズキと痛む頭。
ゆっくりと目を開くと、薄暗い場所にいることが分かった。
ゆっくりと覚醒していく頭で辺りを見渡すと、私の側に横たわっている浩一さんの姿を見つけた。
「浩一さん!」
腕が後ろ手で縛られていて自由にならない。
必死に声で呼びかける。
何度か呼びかけていると、浩一さんがビクッと身体を揺らした。
よかった、生きてる…。
「…紗千、さん…?」
「浩一さん!大丈夫ですか!?」
目を覚ました浩一さんが、不自由そうになんとか身体を起こす。
そう言えばと周りを見渡すが、人の姿はなかった。
ここはいったいどこなんだろう。
薄暗い廃墟のような場所。
「紗千さん、怪我を…」
「え…」
確かに頭がズキズキと痛い。
ふと見ると座っている制服のスカートにポタポタと血の滴が落ちている。


