「ん。結構救うのもコツがいるんだな。タイミングをはかるのが難しい…」
「少し遅かったですかね」
「大きいものを救った方が押し出すのにはよさそうだから…」
二人して真剣にどこら辺を狙うがいいかを考える。
こんなふうに浩一さんと無邪気に遊べるとは思わなかった。
とても楽しい。
きっと、浩一さんが私に合わせてくれているんだろう。
「わ!取れましたよ!すごい!結構落ちるもんですね!」
「本当だね。紗千さんの最後の一押しがよかったね」
「そんなことないです!浩一さんがタイミングを教えてくれたから」
お菓子がとれたくらいでこんなにもはしゃいで子どもみたい。
でも、とても楽しい。
浩一さんは、本当にいい人だ。
お金持ちってことを鼻にかけていない。
権力を振りかざすこともしない。
相手に寄り添える人だと思う。
本当に、素敵な人。


