「は……?」
竜が戸惑ったように呟く。
困らせた…。
少しも考えなかったって顔だ。
少し、傷つくな…。
「おま…」
「鹿島!紗千さん!」
勢いよく扉が開き灯りが入ってくる。
久住さんが飛び込んできた。
「久住さん…」
ホッとしたのと同時に、さっき竜が言いかけていた言葉の続きが気になる。
なんて言いかけたんだろう。
「大丈夫か?ケガは」
「多分もう血は止まってると…」
「紗千さんは・・・?その血は鹿島のものだよな?」
「は、はい。私はどこも…」
久住さんはホッとしたように息をつく。
竜は立ち上がり、久住さんに状況を確認し始めた。
聞けば、あの犯人はあれからすぐ確保されたらしい。
久住さんが呼んでいた警察がすぐに駆けつけ、警察に引き渡し少し状況説明をし終えた後こちらに来てくれたらしい。


