「俺は知ってんだ!お前が…!借金のために身代わりしてんだって!」

「誰がそんなことを…」

「お、お、おれは借金のせいで今こんな目にあってんのに!なんでこんなに違うんだ!お前も苦しめ!苦しんで死ね!」

「黙れ!」




私の事を、そんな風に思っている人がいる。
ああ、そうだ。
最初は竜だってそうだったじゃないか。

借金のために身代わりを引き受けたバカな女。



この人も、借金のためにこんな事に手を染めたバカな人なの…?



もしかしたら私だって、そっち側だったかもしれない?
私はかわいそうだと、怖い思いをして死ぬ思いをして悲劇だと思っていたけど。
あの人から見れば私は恵まれていたの?


だから私は恨まれて、殺されようとしてるんだ。



私の浅はかな決断のせいで。



ポロリと涙があふれる。