「やっぱり、調べてみても、鹿島の線が濃厚になりそうなの」



吉沢さんが、神妙な顔で言う。
吉沢さんは竜の事をもう犯人だって思ってる。
私だって、吉沢さんの言ってたことを考えたら不安はある。

学校の事件の時のこととか。
結局聞けなかったし。

でも。



「私は竜を信じます」

「え?」

「私の目で見て耳で聞いて、感じた事を信じたいんです。竜がそんなことするわけない」

「なに言ってるの?私の話聞いてた?感情論でどうにかなるものではないのよ?」

「わかってます。でも、どうしたって、最後には犯人ははっきりするなら、それまでは信じてたいんです」

「はっきりしてるじゃない!鹿島が怪しいって話、散々したでしょ!?」



吉沢さんはヒートアップして怒鳴りに近い声をあげる。
私は怯まないようにグッと拳を握った。