「それでも、自分が仕事をしてみて、この仕事に誇りも持てるようになった。やりがいも、覚悟も」

「…そっか」



思いもよらない答えにドキッとした。
だって、恨んでないって、嘘でも言うと思ったの。

でも、それって本心だってことだよね。
誇りもやりがいも覚悟も、本心。


だとしたら。



「幸子お嬢様への感情は…」

「難しいな。…特別としか言いようがない。救われたって気持ちはいつだってあるし。あの人のためになることをしたいって想いはずっとあるからな」

「そっか…」



竜じゃない。
竜じゃないよね。

この言葉は嘘じゃないよね。



吉沢さんの話に揺らいでしまったけれど。
それでもやっぱり、私は竜を信じたい。


竜の事が好き。
だったら、信じなくちゃ。



竜の言葉を、信じたいの。