「いいから、お前部屋に戻れ」
「でも……」
「俺たちは仕事の話をしている。お前には関係ない話だ」
「鹿島、その言い方はないだろ」
竜を久住さんが窘める。
「でも、紗千さん。不安になるのはわかるけど、僕たちを信じてくれないか?はっきりと真実が明らかになったら必ず報告する」
「久住さん…」
「だから、もう少し待ってほしい」
「…はい」
そうだよね。
私がなにを言っても、なんの力にもなれない。
待ってるしか、ない。
信じるしかない。
「失礼します」
頭を下げ、その場を後にする。
信じよう。
だって、私はずっと見てきた。
ボディーガードとして懸命に働く彼らの事を。
私が一番知っているんだから。


