「お前…」
「あ…、ご、ごめんなさい…」
扉の向こうには呆れ顔の竜。
「お前の趣味は盗み聞きか」
「ち、違うわよ!たまたま通りかかって…」
「紗千さん?ああ…ごめん、聞こえてしまったんだね」
久住さんが申し訳なさそうに顔を覗かせる。
私は思い切って尋ねる。
「あの、さっきの話って本当なんですか?」
「いや…、まだ推測段階に過ぎない。その写真の入手経路とか調べてみないことにはね」
「そう…ですよね…」
まだ決まったわけじゃない。
それに、竜や久住さんが繋がっているなら、もっと焦るはずだよね。
二人は落ち着いているように見える。
だから、違うよね?


