パーティで私がしでかした失敗は、あまり問題にならなかった。
ほとんどの人がそれに、気づくことがなかったというのが大きな理由だろう。
そう伊永さんがこっそりと教えてくれた。


宇都木社長も、自分の仕事に問題がないのであればどうでもいいと言う考えのようで。
なんだか、張り切っていた自分が馬鹿馬鹿しいとすら思える。


いつまで私は、こんな生活を続けるんだろうか。




「…やっぱり、あの男は誰かに雇われて」

「ああ。長く黙秘していたがようやく吐いたらしい」



お屋敷の一室の前。
フラフラとトイレに行きついでにふらついていたらその中から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
竜と…久住さん?



「それで、雇い主は」

「そこまでは……。だが、学校での事件の時、しばらく嫌がらせをしていただろう」

「ああ、はい」



学校での事件…。
あのオートバイの男のこと?

私は思わず扉に近づく。