世界できっと、キミだけが




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小野田紗千がいない。
宇都木社長に強引に押し付けられた仕事をさっさと片付けて会場に戻る。
宇都木社長に書類を手渡すと、側に小野田紗千の姿はなかった。

社長に問いかけても、はっきりとした答えは返って来ず俺は苛立ちを覚えながら会場を見渡した。
あいつの事だ、こんなところでひとりで取り残されて、テンパっているに違いない。


それに、ここのところの騒動で精神面も心配だった。
本人は気丈に振る舞ってはいるが、無理をしているのは一目瞭然だった。




「くそ…、どこにいる」



ここは宇都木は招かれている身。
さすがにこの場で襲われることはないとは思うが、万が一という事もある。

そのために、俺が警護しているのだ。



また俺は、大事な時に側にいられないかもしれない。
焦燥感が襲う。



あいつの事を、ちゃんと守りたい。
そう思ってから一度も、ちゃんと守り切れていない気がする。
それが悔しくて仕方がない。