世界できっと、キミだけが



「幸子さんは、僕と同じ二十歳だったよね?」

「え?あ、はい」




私は17歳だけど。
幸子お嬢様は二十歳だもんね。
ちゃんとなりきらなくちゃ。

なんだか浩一さんは話しやすくてつい素に戻ってしまいそうになる。
優しい人だからかな。

私の中のお金持ちのイメージって、宇都木社長みたいな独裁者的な人だったから余計かもしれない。



「そうなるとさ、公の場でお酒を飲む機会もあるんじゃない?こんな風に」

「こんな風…?あ、あれ…?」



なんだか、視界がぼやけてくる。
フワフワと世界が回って、顔がポッポと熱い。



「あれ?幸子さん?」

「え…、あれ、ごめ…なさ…」



グルンと世界が回ってバランスを崩す。
それを受け止めてくれたのは浩一さん。

私はそのままぼんやりと、意識が遠のいていく。


「ほんと、素直で可愛い子だね」




遠のく意識の片隅で、そんな声を聴いた気がする。