世界できっと、キミだけが



「…ん?ああ…。貸して」

「え?」



浩一さんはそういうと私からグラスを奪いクイッと一口流し込んだ。
私はきょとんとそれを見つめる。



「はい。これで安心かな?」

「…え」

「宇都木達臣氏が亡くなって、今宇都木は大変な時だって聞いてるからね。心配になるのも無理はないよ」

「あ…、ご、ごめんなさい。主催者の方を疑ってるつもりじゃ…」



そうだ。
このパーティは浩一さんのお父さんの倉持社長が主催したパーティ。
そこで提供されている飲み物に毒が入ってるかもって疑ったってことだ。
私、自分の感情で、なんてこと……。



「わかってるよ。気にしていないから、心配しないで」

「は、はい…」



私はグラスを受け取り、グイッとそれを飲みこんだ。
あれ、これなんの飲み物だろう。

甘くて、ジュースみたいだけど、なんだか不思議な味。