世界できっと、キミだけが



でも、借金がなくなった今、私は何を目指したらいいのかわからない。
もうすぐ進路もはっきりと決めなくちゃいけない時期が来る。
来年は3年だし、高校生活も終わりが近づく。



「会社を継ぐっていうのは、とても大変な事ですよね。でも、目標があって、羨ましいです」

「幸子さんも、会社を受け継ぐのではないの?」

「え…、あ!はい。そうなんですけど、その、まだなんだか実感がなくて」



やばい~!
自分の事をしんみりと語ってしまっていた。
今は私は宇都木幸子だって言うのに。



「確かに、僕も実感はなかったな。ただ教科書を開いて勉強に勤しんで」

「今は…?」

「最近だよ。実感がわいてきたのは。成人してこういう公の場に父について出るようになってから」

「昔からじゃないんですね…」

「なにか飲み物をとってくるよ。少し待っていて」

「え、あ。あの、お構いなく…」



優しい笑顔を浮かべ、浩一さんはそういうと会場内に向かっていった。
残された私は、ふぅと息を吐き星空を見上げた。