「はぁー」


竜は大きく息を吐いて座り込んだ。
竜……?



「紗千さん。今度からこんな無茶はやめてくれ。もしものことがあったらどうするんだ」

「は、はい…」

「いや、そばについていなかった俺たちが悪いな。すまなかった」

「そ、そんな!すみません。私…」



久住さんたちを呼ぶなんてこと思いつかなかった。
咄嗟だったし。
誰かに守られるなんて慣れていないし。
こんなに心配かけてしまうなんて。



「……戻る」

「おい!?鹿島!」



座り込んでいた竜が立ち上がると、私を見もしないで処置室を出ていってしまった。



「ちょっと吉沢、紗千さんを頼む。待て、鹿島!」




久住さんが竜を追って行く。
残されたのは吉沢さんと私。


吉沢さんは眉を寄せた不機嫌そうな顔をしている。