「紗千!!」
勢いよく処置室の扉が開かれる。
切羽詰まった顔の竜が息を切らして立っていた。
「え…、竜!?なにしてるの!動いちゃだめじゃん!」
竜、頭に怪我してるのに。
どうしてここにいるのか。
私は駆け寄ってくれた看護師さんに処置室に運んでもらい処置を受けていた。
足首を捻挫してしまったみたいでズキズキと痛む。
「俺の事はどうだっていい。階段から落ちたって、どうしたらそんなことになるんだ」
「あ……。ごめんなさい…」
看護師さんが伝えてくれたんだ。
黙っていてほしかったのに。
余計な心配かけたくなかったのに。
「鹿島!お前、少しは俺の話を聞け!」
後から追うように入ってきた久住さんと吉沢さん。
やっぱり、動かないほうがいいんだ。
「俺は大丈夫だ。それより、何があった」
「……この間の、オートバイの男に似た人を見つけて」
「は!?」


