「もし竜が、避けてくれてなかったら、私…無関係の人を死なせてしまってたかもしれない……」



身体が震える。
私のせいで、私を守ってくれる竜だけじゃない、無関係の人まで犠牲になるかもしれない。
そのことがとてつもなく怖ろしい。



「こっちに来い」

「……」



竜に手招きをされおずおずと近づいた。
すると、竜から伸びてきた手が私の腕を掴み引き寄せる。

竜の逞しい胸板に抱き寄せられドキリと胸が鳴った。



「お前のせいじゃない」

「え…」

「たとえ、今回が宇都木を狙った者の仕業だったとしても。その結果誰かに危険が及んでも、それはお前のせいじゃない。それだけは間違えるな」

「でも……」

「言ってるだろ。お前は巻き込まれただけで、ただの身代わりだ。お前のせいで傷つく者がいるわけじゃない」



そうだとしても。
割り切れない。

巻き込まれたのだとしても、私はもう関わってしまった。