小さな頃から暴れん坊で全然可愛くない私のとこが好きだったのか、考えれば考えるほど、謎は深まるばかり。


本当に私が好き。


思わず聞いてみたくなった。


「智哉は私の何処がすきなの。」


全部だけど。


全部ってなに。


見た目とか性格とか。


具体的に言ってくれないと分からない。


「智哉はね、麻都佳の全てが好きなんだってさ。デカイ身長もペチャパイも、はっきりした性格も、後は正義感が強い所も。」


誉められてる気が全くしないんですけど。


「仕方ないだろ。好きなんだから。」


う、嬉し過ぎる。


にやけた顔を隠した。


「俺だって、智哉に負けないくらいに麻都佳を好きだったけど、智哉には敵わないと思った。」


それにしても、入籍まで済ませて、諦めるしかないだろと真也が笑う。


どうもすみません。


成行き状そうなりまして、まだ実感がない。


「まさか、智哉と麻都佳が入籍までしてるとは、小澤は気づいてないと思う。」


小澤直人と結婚なんてしたくもないし、お金の為だけの夫婦になろうとしてる事を許すことは出来ない。


砂川さんからの指示は、今度咲希が連絡をしてきたら、何も知らない振りをして、咲希の誘いに乗るように言われた。


向こうの罠にかかった振りをして、逆襲に出るらしい。


砂川さんが全ての証拠を揃えたと。


上手く行くだろうか。


身体の震えがとまらなかった。