砂川さんから、咲希を調べた書類を見せられ、ことばが出なかった。


咲希は中学も高校も不登校で、地元の不良仲間と一緒に何度も補導をされていて、私に話した内容と全く違っていたのだ。


進学校へ通っていたと聞いていたのに。


咲希の身元保証人は小澤直人になっていた。


この頃から咲希は直人と一緒に暮らしていたらしいし。


最初から私に近づく為に連絡をしてきたのだと思うと、本当に腹だたしい。


何もかもが嘘。


兄のためにそこまでする必要があるのだろうか。


私には理解出来なかった。


九条corporationを乗っ取ろうとしている、小澤直人の妹の咲希。

全てが最初から仕組まれていたとしたら、私は咲希の何を見てきたのだろう。


楽しく過ごした幼い頃の思い出全てを否定するしかないのか。

悲し過ぎる。