心も身体もクタクタに疲れました。


追われてる車から無事に逃げられたけど、ここは何処なのでしょうか。


あれ、この町は。


10年前に引っ越した田舎町。


10才から18才の高校迄過ごした、懐かしい町だった。


短大に入る時、元の町に戻る決心をして、両親に相談をすると、家族で戻る事に。


戻らなければ、智哉と会えなかったかもしれない。


智哉が私たち家族が住んでいた家の前に、車を停めた。


「懐かしいか。俺はストカーだな。この町に来ては麻都佳の生活をのぞき見してたんだよ。」


嘘。


この町に来てから、一度も智哉とは会っていないと思うけど。


私に見つからないようにしてたらしい。


どうして、そこまでするの。


私の事が心配だった。


「悪い虫がつかないように見張ってた。」


なにそれ。


もしかして、私に彼氏が出来なかったのは智哉のせい。


感じが良いなと思ったら、直ぐに引かれたり、告白されても、付き合う事はなかったと思う。


智哉が豪快に笑う。


「だって、麻都佳は俺の者だから。」


なら、堂々と会いに来れば良かったと思うけど。


未成年の麻都佳に手を出すわけにはいかないだろと、爆弾発言。


そうですか。


20才になれば手を出しても良いと思った訳ね。


なんか、面白くない。