何処くらい寝ていたのだろうか、居間に行くと智哉と真也の話し声が聞こえた。


「悪いけど、麻都佳を真也には渡せない。俺が麻都佳を幸せにしたい。」


「俺も諦めるつもりはないよ。」


入るに入れない。


このままだと真也と私が結婚することになるらしいけど。


阻止したい。


智哉が好きだと気付いた以上、真也と結婚は出来ないと伝えないと。


入ろうとすると、真也が智哉に彼女はどうすんだと聞いていた。


智哉に彼女がいたの?


やっぱり週刊誌に載っていたのは、智哉と彼女。


告白する前に失恋したみたい。


居間には入れず、智哉の部屋に戻った。


智哉に彼女がいたと言う現実。


智哉はずっと私が好きだったと言ってたのに、あれは嘘だったと思うと胸が苦しくて、誰も信じられないと思った。


ここから出て行こう。


誰も私を知らない所へ行こうと思った。