無理矢理手を引かれ、納得出来ないこともあるし、真也とまだ話したいのに、これ以上ここにいる必要はないと、智哉が決めつけた。


真也は智哉を嫌ってるようには思えず、智哉が真也を嫌ってると感じるのは何故。


智哉が社長になることに拘る理由。


あの智哉のスキャンダルをでっち上げたのは、真也の秘書。

真也はその内分かると言ったけど。


頭の中で整理出来ない。


「真也に何を聞こうとした。」


砂川さんの運転する車に、智哉と乗っていた。


真也は私と智哉が一緒にいることも知っていたのだ。


智哉は誰から逃げてるの。


私は真也に社長の座を奪われ、身の危険を感じ逃げているのだと思っていた。


真也の秘書が関係していたなら、解雇すればそれで済むのではと思う。


「真也の秘書の小澤は元は父親の秘書をしてた男、真也を我が子のように可愛がっていたんだよ。だから、真也を社長にしたいんだと思う。」


なるほど。


可愛い我が子当然の真也を社長にしたい気持ちは分からなくもないが、スキャンダルをでっち上げてまで、智哉を社長の座から引きずり下ろすだなんて、信じられない。


私には関係ない世界。


気持ちが全く晴れず、記憶も曖昧なままだった。