ゴミを拾い終わり、高い木を切っていると、ベンチに寝転んでいる人を発見。


頭には新聞紙が乗っていて、服はかなり薄汚れているし、靴は履いていない。


もしかして、浮浪者。


近づこうとする私をおばあちゃんたちが止めた。


「危ない人かも知れないから、近づかない方がいいよ。」


「そう言えば、あの人この前もこの公園のベンチに寝てたと思う。」


そんな前からいるの。


何かあったら大変だ。


近づくのをやめて、木を切っていた。


おばあちゃんたちは草取りが終わると帰って行く。


私も早く終らせて帰ろ。


そう思っていたのに、木を切ることに夢中になり、切った枝がその人の上に落ちてしまった。


不味い。


どうしよう。


絶対怒られる。


逃げるしかない。


足を一歩踏み出した所で、その人が起き上がった。


「おい、逃げるな。」


「ごめんなさい。わざとではないので許して下さい。」


その男は新聞紙を退かして、私を見た。


服はボロボロで靴も履いてないその男は若そうだ。


顔も真っ黒に汚れているから、はっきりと分からないが。


多分若い男で、しかも背は私より高い。