創吾が何か言いたそうに幸弘の背中を見つめている。


「どうしたの、創吾?」


そう聞くと、創吾は一瞬身を固くしてあたしを見た。


その目はどこか怯えているようにも見えた。


「昔、じぃちゃんに聞いた話があるんだ」


創吾はあたしから幸弘へと視線を戻してそう言った。


だけど、その言葉はあたしたち全員へ向けてかけられているように感じられた。


幸弘は反応しない。


だけど、聞いているような雰囲気はあった。


「人目のつかない場所に、亡くなった人の遺体を移動させるんだ。そこへ仲間が集まって、みんなの血をガラス瓶に集めるんだ。


その血を亡くなった人の口に含ませる。それから、夜明けまで蘇りのウタを歌えば、亡くなった人は蘇る」


創吾は時々言葉を詰まらせながらそう言った。


「なにそれ、都市伝説?」


真琴が顔をしかめてそう聞いた。


創吾は頷く。