☆☆☆

パチパチと弾ける音を立てながら炎は燃える。


その熱だけで十分夜は過ごせそうだった。


辺りは暗闇に包まれ、周囲は炎の色に包まれている。


けれど、空を見上げればそこには満点の星空があった。


「綺麗だね」


隣に座っていた真琴があたしと同じように空を見上げてそう言った。


「だよねぇ」


あたしはそう返事をする。


たとえばこれが天体観測で集まったメンバーだったとしたら、こんなに楽しい事はないだろう。


星を見上げて談笑できるのなら、どれほどよかっただろうか。


考えると切なくなって、涙で星が滲んでしまった。


「そろそろ始めよう」


創吾の声にあたしはビクリと体を震わせ、視線をみんなへと戻した。