ふざけるな!


乃愛になにをしようとしたんだ!


そう怒鳴ってやりたかった。


この女は乃愛の顔面を潰そうとしたんだ。


それなら、同じように顔を潰してやろうか。


怒りが湧いてくるが、それをグッと押し込める。


香菜美は一応はメンバーの1人だ。


ここまでついて来てもいる。


ここまできて仲間割れなんかしている時間はない。


香菜美を敵に回して儀式が失敗することも避けたい。


「バカなことしてんじゃねぇよ」


俺はギリッと奥歯を噛みしめて、それだけ言ったのだった。