残り30分の道のりをどうにか歩いてたどり着いたのは、広間だった。


四方が森の木に囲まれて、どこにも入口のない広間。


「すごい」


香菜美がそう呟くのが聞こえて来た。


確かに、それはすごい光景だった。


どこまでも続くと思っていた森が途端に途切れ、学校のグラウンドの3倍はあるような広間が現れたのだから。