幸弘の誘いを断った俺は香菜美たちの友人たちと共に、あの森へ来ていた。


木々をかき分け広間へ出るとそこには大きな箱が置かれていた。


香菜美が死んだ翌日、俺は香菜美の体を回収してあの箱に入れた。


ドライアイスで腐敗を防ぎ、儀式に参加してくれるメンバーを集めたのだ。


俺はそっと箱を開けて中を覗き込んだ。


12月の寒さのせいで腐敗はあまり進んでいない。


あと少しでそれもちゃんと修復され、香菜美は再び蘇るだろう。


「よし、儀式をはじめよう」


あのノートに書いてあったことなんて知らずに、俺はそう言ったのだった……。


END