カケルを拘束した状態であたしたちは逃げ出した。


蘇った者を置いてきたのだ。


これできっと骨人間たちは消えてくれるはずだ。


「とにかく、道へ戻らないとな」


しばらく走ってカケルの叫び声が聞こえなくなったとき、創吾がそう言った。


「あぁ……。でも、どこをどう行けばいいかわからないな」


幸弘が周囲を見回してそう言った。


回りはうっそうとした森ばかりだ。


なんの目印も立てられていない。


いつ、どこからなにが出て来るかわからない。


「大丈夫か?」


そんな声に視線を向けると、創吾が心配そうな顔でこちらを見ていた。


その表情に一瞬戸惑う。


創吾はまるで愛しい人へ向けるような顔をこちらへ向けていたからだ。


「だ、大丈夫だよ」


たじろきながらもそう返事をすると、創吾は安心したようにほほ笑んだ。


「とにかく歩こう。骨人間は消えても野生動物たちはいるんだ」


幸弘の言葉にあたしたちは再び足を進め始めたのだった。